CAEソフトのスムースな導入と
継続的な成果のために。
上手にCAEソフトと付き合えれば、コスト削減も革新的な研究も、卓上で叶えることができます。
しかし、ソフトを使いこなすために考えるべきことは多く、導入時のサポート体制や、実践的なセミナーへの参加はほぼ必須と言えるでしょう。
このサイトでは、導入しやすいおすすめのソフトウェアを紹介しています。
上手にCAEソフトと付き合えれば、コスト削減も革新的な研究も、卓上で叶えることができます。
しかし、ソフトを使いこなすために考えるべきことは多く、導入時のサポート体制や、実践的なセミナーへの参加はほぼ必須と言えるでしょう。
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利用者向けのテクニカルサポートやラーニングコンテンツ、日本語のセミナーなどを展開している、おすすめのCAEソフト8製品をピックアップ。
初心者用、中級者用、上級者用のサービス・機能がそれぞれどの程度充実しているかで比較しています。
使用できる解析モジュール35種
※2021年6月17日時点、Google検索「CAEソフト」上位のソフトウェアの中から、導入時のラーニングとテクニカルサポート&日本語のセミナーありのCAEソフトを選定。
・(国研) 産業技術総合研究所
・東京大学 工学研究科
・東京工業大学 物質理工学院
・豊田中央研究所 戦略研究部門
5分類 計35種類のモジュールが搭載され、ほとんどの解析を網羅した汎用性の高いCAEソフトです。CAE初心者用へのサポートにも手厚く、エンジニアリング・製造・サイエンスなど、幅広い分野で活用されています。また、連成解析(マルチフィジックスシミュレーション)にも対応しており、3種類以上の異なる解析場を組み合わせた検証も実行できます。
COMSOL習得のためのトレーニングプログラムで、学習環境に合わせて2つのコースが用意されています。
ひとつが「オンデマンド形式」で、ユーザーの好きなタイミングで少しずつ進めることができます。基礎・応用・専門コースが設けられています。
もうひとつが「ハンズオンorライブ形式」です。名古屋や大阪にある会場もしくはWEB上で、基礎から実践方法まで実習形式で学ぶことができます。
特定のテーマについて詳しく掘り下げるセミナーで、不定期開催されています。
製造性評価の数理モデル最適化や、電磁波の革新的産業応用シミュレーション、ナノ・マイクロ工学設計シミュレーションなどをテーマに、特定の研究分野に精通している専門家や学術機関の方、COMSOL開発元のCOMSOL AB/COMSOL, Inc.のスタッフなど、おもに外部講師が担当します。
株式会社コベルコ科研
同社では、業務上の技術情報を掲載する技術ノート「こべるにくす」内にて、車載用リチウムイオン電池の安全性シミュレーションにCOMSOLを使用。多様なモジュールが、化学反応熱・加熱・釘刺など複数の安全性を図る試験を可能にしています。
参照元:COMSOL公式HP
[PDF]https://kesco.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2018/11/e.pdf
みずほ情報総研
COMSOLを活用したマルチフィジックス解析に関するレポートを挙げています。モーターの解析における、電流の分布、磁場、ローターに掛かる回転力、ローターの回転運動など、複合的な解析において力を発揮し、効率的かつ効果的に研究開発を行える点で評価されています。
参照元:COMSOL公式HP
[PDF]https://kesco.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2018/11/003_05.pdf
メーカー名 | COMSOL AB社(スウェーデン) |
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販売会社名 | 計測エンジニアリングシステム株式会社 |
・アルティメイトテクノロジィズ株式会社
・株式会社キョウデン
・シンフォニアテクノロジー株式会社
・オムロン株式会社
ANSYSは、アメリカのANSYS社が開発した有限要素法解析プログラムです。CAEを中心に、複数の解析ソフトウェア群で成り立っています。
連成解析が可能で、伝熱・構造・流体・磁場・電気・電流などの解析場を組み合わせて解析できます。また、スタートアップ企業へのビジネス支援が手厚く、CAEが活用できる機会を多数提案しています。
ANSYS製品群を紹介するセミナーで、参加費は無料です。
セミナーでは、各ANSYS製品の概要や基本的な機能の紹介、そして機能の体験がプログラムに組み込まれています。そのため、ANSYSの導入を検討している方におすすめです。
セミナーは東京・大阪・名古屋の会場で受けられるほか、オンラインでも開催しています。
解析対象となる現象に特化した理論や、CAEの操作方法などを学ぶことができるセミナーです。例えば「Ansys HFSSを使ったテラヘルツ波技術への応用」というセミナーでは、3次元フルウェーブ電磁界解析が可能なAnsys HFSSを用いたテラヘルツ波への応用例にフォーカスしています。トピックセミナーは、特定の解析対象について知識を深めたい方におすすめです。
浜松ホトニクス株式会社
光関係の電子部品・電子機器メーカーの浜松ホトニクスでは、半導体の後工程でANSYSを採用しています。課題となっていた基盤の反り問題について熱応力解析を行い、反りの少ないパッケージの形状を検討することができました。
参照元:サイバネットシステム公式HP
https://www.cybernet.co.jp/ansys/case/interview/013.html
アルティメイトテクノロジィズ株式会社
情報家電製品などのPCBを設計するアルティメットテクノロジィズでは、設計初期段階からAnsys SIwaveやAnsys HFSSなどを連携させたフルウェーブ解析を行っています。Ansys SIwaveなどを使用したPI解析では、電源配線にDC-Drop解析、AC-Drop解析、インピーダンス解析を実施し、必要な配線幅や最適なコンデンサ定数・位置を決定しました。
参照元:サイバネットシステム公式HP
https://www.cybernet.co.jp/ansys/case/interview/070.html
メーカー名 | ANSYS社(アメリカ) |
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販売会社名 | サイバネットシステム株式会社 |
・住友電工株式会社
・Broadcom
・Fujitsu
・Wolfson
MATLAB/simulinkは、アメリカのMathWorks社が開発したCAEソフトです。ブロック線図を用いた時間軸でのシミュレーションでは、ブロック間の数学的関係を図示しながら解析できるため、プログラミング言語などを理解していなくても結果の出力まで完了させられます。
なおMATLAB/simulinkは、80以上のプロダクトのプラットフォーム「MATLAB」の環境上で扱えるツールです。単体では利用できない点に注意が必要です。
さまざまな技術トピックをWeb上で学ぶことができるセミナーです。例えば「世界を救う科学者やエンジニアたちの挑戦」というWebセミナーでは、新型コロナウイルスとの戦いを通して変革をもたらしたプロジェクトやアプリケーションにフォーカスし、エンジニアが行った課題の克服方法やMATLAB/simulinkの活用方法を紹介しています。そのほか学生向け、一般向けなどさまざまな専門映像がアップされています。
MATLAB/simulinkおよびMATLAB製品の基本や操作方法、応用方法などを学べるセミナーです。ライブ形式・オンライン形式・自己学習形式・クラスルーム形式で開催されており、自身の好きなスタイルでMATLAB製品のマスターを目指すことができます。
ロボット工学・メカトロニクス研究所
ドイツ航空宇宙センターにあるロボット工学・メカトロニクス研究所では、自律型ヒューマノイドロボットの開発にMATLABおよびMATLAB/simulinkを使用しています。ツールを使用してコントローラやプラントのモデル化、HILテスト、軌跡の最適化などを行っています。ソフトを導入したことで、プログラミングの欠陥をなくし、学生だけでも高度な開発が行えるようになりました。
参照元:MATLAB/simulink公式HP
https://jp.mathworks.com/company/user_stories/german-aerospace-center-dlr-robotics-and-mechatronics-center-develops-autonomous-humanoid-robot-with-model-based-design.html
Bosch eBike Systems
Bosch eBike Systemsでは、創業当初よりMATLAB/simulinkを利用しています。モデルベースデザインを使用し、駆動装置の制御システムの設計や実装、テストなどを行っています。MATLAB/simulinkでは制御アルゴリズムとパラメーターが迅速に更新でき、設計更新から5分で再テストが可能となっています。
参照元:MATLAB/simulink公式HP
https://jp.mathworks.com/company/user_stories/bosch-ebike-systems-develops-electric-bike-controller-with-model-based-design.html
メーカー名 | MathWorks社(アメリカ) |
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販売会社名 | MathWorks Japan |
・Sea-lect Plastics Corporation
・Dixon Valve & Coupling Company
・Square Robot, Inc.
・Resemin
SOLIDWORKSは、SolidWorks社が開発した3次元CADソフトです。ミッドレンジ3DCADの先駆け的存在として登場し、世界中のユーザーに愛されています。なかでも「SOLIDWORKS Premium」には、CAD機能に加えて設計検証まで行える機能が搭載されており、シームレスかつ短時間で検証まで終えることが可能です。
SOLIDWORKSを提供するソリッドワークス・ジャパンが主催するセミナーで、SOLIDWORKSの操作方法はもちろん、応用方法や専門知識などを学ぶことができます。
また「教職員向けSOLIDWORKS夏期講習会」など、ターゲット別のプログラムも用意されています。
SOLIDWORKSの技術者が、その時々でHOTな話題を動画にまとめてお届けする、動画視聴方式のセミナーです。
例えば「SOLIDWORKS Simulationの最新メッシュ機能」というセミナーでは、SOLIDWORKSを使用したメッシュ作成に関する便利な機能や情報を学ぶことができます。動画は1本約30分にまとめられており、毎月更新されています。
Aldebaran Robotics
自立型ヒューマノイドロボット・NAOの開発を行うAldebaran Robotics社では、ロボットの設計、サーフェス、シミュレーション、プラスチック射出成形解析、製品データ管理(PDM)、ビジュアリゼーションにSOLIDWORKSを活用しています。SOLIDWORKSでロボットの動作を細かくシミュレーションすることで、より人間らしいロボットの製作を実現しました。
参照元:SOLIDWORKS公式HP
https://www.solidworks.com/ja/customer-stories
Viecelli Móveis Ltda
ブラジルでカスタムデザインの家具や商品ディスプレイなどを製造・販売しているViecelli Móveis Ltda社では、SOLIDWORKS Professionalを導入し、製品設計サイクルの最適化に着手しました。ERPシステムとの連携が容易な点など、Viecelli Móveis Ltda社とSOLIDWORKSとの相性はよく、市場投入までの期間50%削減をはじめ、生産性の大幅な向上を達成しました。
参照元:SOLIDWORKS公式HP
https://www.solidworks.com/ja/story/viecelli-moveis-ltda
メーカー名 | Dassault Systèmes SolidWorks Corporation(アメリカ) |
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販売会社名 | ソリッドワークス・ジャパンほか |
・神奈川大学 経営学部
・九州大学 芸術工学部
・慶應義塾大学 大学院
・工学院大学 工学部
Fusion360はアメリカのAutodesk社が開発した、CAD・CAM・CAE・PCBが統合されたソフトウェアです。フルクラウドのソフトで、データがクラウド上で管理されることから、チーム内でデータ管理がしやすい強みを持っています。
非商用の利用に限る場合は企業でも無料で利用できるほか、商用利用の場合も月額利用から始められるため、始めるハードルが低くなっています。
Fusion360を3日間で学習する、短期集中型のセミナーです。1日目は基礎設計、2日目は設計応用を、そして3日目は設計発展に関する内容を学ぶことができます。体験を通した実践的なプログラムが組まれていることにより、3日間でFusion360のエキスパートが目指せます。
セミナーは会場受講(東京・新潟)、ライブウェビナー、Eラーニングの3受講形式で開催されており、お好きなスタイルを選べます。
Fusion360の機能などをWeb上で動画形式で学ぶことができるセミナーです。これからFusion360などの3DCADを使用し始める方向けの内容や、実践的なスキルが身に付けられる内容、業界の未来や動向が知れる動画まで、レベル別に合わせた動画が多数アップロードされています。
SRAM
自転車コンポーネントの世界的メーカーとして知られるSRAM社では、Fusion360 を利用して剛性、重量、コストのバランスの限界を追求しています。一例としては、Fusion 360のジェネレーティブデザインを開発工程に組み込んでおり、製品同士の優れた要素をひとつにまとめられるようにしています。これにより、新しい製造方法やモデリング方法を生み出せるようになりました。
参照元:Fusion 360公式HP
https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/customers
Advantic社
複合材料のエキスパートとして知られるAdvantic社では、設計だけでなく販売・マーケティング・生産・顧客サービスにもFusion360を活用しています。クラウドベースであるFusion 360は、どこにいても情報共有がスムーズにできるため、設計工程をはじめとした作業の効率化を実現しました。
参照元:Fusion 360公式HP
https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/customers
メーカー名 | Autodesk社(アメリカ) |
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販売会社名 | オートデスク株式会社 |
・株式会社IIU
・愛知電機株式会社
・愛三工業株式会社
・アイホン株式会社
Femtetは、電子部品メーカーとして知られる村田製作所で活用されてきた国産CAEソフトです。設計者向けのソフトウェアとして開発されており、初めて解析ソフトに触る設計者・技術者でも利用しやすいのが魅力です。8つの分野(電場・地場・電磁波、熱伝導・応力・流体・圧電・電波)の解析と連成解析が行えます。
Femtetの機能紹介や、実際にPCを用いた実習を行うセミナーです。こちらのセミナーは講師と顔を合わせて行う形式になっており、受講者は東京・渋谷にあるムラタソフトウェア社内に訪れる必要があります。
講師を派遣し、Femtetの機能紹介や実習などを行うセミナーです。「一度にたくさんの従業員に研修を受けさせたい」「ムラタソフトウェアまで行くことができない」などの要望にこたえる形で展開しているセミナーで、セミナー内容はニーズに合わせて変更することも可能です。日程調整や費用見積もりをする必要があるので、希望する場合はお早めにお問い合わせください。
Femtetの具体的な導入実績については、公式HPなどに掲載されていませんでした。なお、導入した企業名やお客様の声については、開発元のムラタソフトウェア公式HPに掲載されていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
メーカー名 | ムラタソフトウェア株式会社 |
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販売会社名 | ムラタソフトウェア株式会社 |
・ボルグワーナー・モールスシステムズ・ジャパン株式会社
・株式会社ジェイテクト
・株式会社ミツバ
・富士ゼロックス株式会社
RecurDynは、アメリカのFunctionBay, Inc.が開発したCAEソフトです。機構解析(マルチボディダイナミクス)に特化したソフトウェアですが、構造や粒子法、制御との連成解析にも対応しています。また、幅広いユーザーが利用しやすい環境づくりにも力を入れており、カスタマイズ機能や解析を自動化できるツールなど、簡単な操作で高度な計算結果が得られるようにしています。
特定の話題について深く掘り下げた内容や、RecurDynの活用方法などを学ぶことができるセミナーです。セミナーによって、オンライン開催・会場開催が異なっています。なお、オンライン開催の場合にも参加人数が設けられていることがあるため、参加を希望する場合は、お早めに申し込むようにしてください。
RecurDynの操作方法や応用方法などを学ぶことができるセミナーです。Basicコース・Advancedコース・MFBDコースの3種類、計5つのプログラムが組まれており、レベル別に合わせた講義を受けることができます。ただし、一部セミナーの受講には、前レベルの受講済みなど、一定の条件が設けられていることもあります。
ボルグワーナー・モールスシステムズ・ジャパン株式会社
自動車部品などを取り扱うボルグワーナー・モールスシステムズ・ジャパンでは、新たなチェーンの開発時にRecurDynを導入しています。RecurDynでチェーンの3次的な挙動やオイルの飛散などを検証し、寿命・強度ともに精度の高い製品を設計することができました。
参照元:RecurDyn公式HP
https://www.functionbay.co.jp/document/user/
株式会社ミツバ
モーターを使用した自動車関連製品を開発する株式会社ミツバでは、モーターの開発にRecurDynの弾性体機能を活用しています。RecurDynでは、回転速度変動を指標にした音の予測や、製品の中に含まれるギアの、嚙み合い誤差によって発生する振動の影響を氷解しています。
参照元:RecurDyn公式HP
https://www.functionbay.co.jp/document/user/
メーカー名 | FunctionBay, Inc.(アメリカ) |
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販売会社名 | ファンクションベイ株式会社 |
・テイ・エステック株式会社
・株式会社ナカサク
・株式会社エフエー
・株式会社ヒロテック
IRONCADは、アメリカのIronCAD, LLC.が開発した3DCADです。製造業者向けに開発されたソフトウェアで、CAD初心者でも直感的に操作しやすくなっています。
また、IcROBOSimやMPICなど、設備設計や検証を行える機能も搭載されており、モデルの作成から解析・評価までをシームレスに行うことが可能です。
IRONCADを検討中の方向けに開催されているセミナーで、IRONCADを操作しながら基本性能などを学ぶことができます。無料で参加することが可能です。ただし、日程についてはスタッフと打ち合わせる必要があります。
IRONCADを検討中の方向けに開催されているセミナーで、IRONCADを操作しながら基本性能などを学ぶことができます。3D CADが初めての方についても、スタッフが親切丁寧に説明できるようにしています。会場・時間については、公式HPを確認するようにしてください。
テイ・エス テック株式会社
四輪のシートをはじめ、自動車内装品を手掛けるテイ・エス テック株式会社では、扱いやすさを理由としてIRONCADを導入しています。頭の中にあるものを簡単にデータ化できるようになるなど、全くの素人の状態からでも利用でき、設備内製率100%を達成することができました。
参照元:IRONCAD公式HP
https://www.ironcad.jp/success-story/case008/
株式会社ヒロテック
自動車部品の開発・製造を行う株式会社ヒロテックでは、ハイエンドCADとの使い分けでIRONCADを導入しています。IRONCADを設備詳細設計前の検討で利用し、構想設計にかかっていた工数を半分程度にまで削減することができました。IRONCADは構想設計に強く、頭で考えているモデルがすぐ作れるのが魅力に感じています。
参照元:IRONCAD公式HP
https://www.ironcad.jp/success-story/case004/
メーカー名 | IronCAD, LLC.(アメリカ) |
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販売会社名 | 株式会社クリエイティブマシン |
CAEソフトを有効活用するためには、機能面や操作面以外にも知っておくべきことがあります。例えば、サポート面。「コンサルティングサービス」が受けられるCAEを選べば、開発における問題点の解消がより円滑に進められます。
そのほか以下のリンクでは、CAEソフトを最大限に有効活用するためのポイントをまとめています。自身や会社の特性に合ったCAEを選ぶためにも、ぜひ参考にしてください。
そもそもCAE(Computer Aided Engineering)とは、コンピュータ上に製品モデルを作成し、性能や物理現象、影響などを評価できるツールのことを言います。経験則に頼らなくても高精度な解析ができ、また実験の手間が省けることから、製品の信頼性向上や開発プロセスの短縮、コストカットに大きく貢献してくれます。
CAEで実現可能なこと
CAEソフトは数値に基づく正確な計算結果を算出することから、条件が同じであれば同一環境での検証が行えます。
そのため、誰から見ても信頼できるシミュレーション結果が得やすくなっています。
CAEソフトがない時代は、いくつもの候補を試しては修正するという工程を、不具合が出なくなるまで行っていました。
CAEを用いればコンピュータ上で製品モデルをシミュレーションできるため、実験回数や期間を大幅に短縮することも可能になっています。
たとえば宇宙空間や真空状態、重力が地球の1万倍の場合のような実現が困難な状況や、衝突や事故が起こったときの挙動など、危険が伴うケースも検証できます。
これにより、より無駄をなくし、かつ耐久性のある製品の追求を目指すことが可能です。
CAEソフトを使うと、さまざまな解析手法を用いて製品モデルを検証することができます。以下のリンクでは、代表的な解析手法として「熱伝導解析」「機構解析」「流体解析」の3種類の特徴や対応しているCAEソフトの情報をまとめています。ぜひチェックしてみてください。
流動解析に特化
世界的樹脂メーカーの東レが開発した、熱可塑性樹脂解析などの樹脂流動解析に特化したCAEソフトです。東レ独自のアルゴリズムによりメッシュ作成が容易で、初心者にも扱いやすくなっています。
メーカー名:東レエンジニアリング株式会社
陰解法・陽解法
有限要素法による陰解法ソルバーと陽解法ソルバーからなるCAEソフトで、汎用性が高いのが魅力です。クラウド版もリリースされており、ファイルの紐づけや作成履歴の表示が容易に行えます。
メーカー名:ダッソー・システムズ社
大規模用構造解析ソフトウェア
ソルバ、プリポスト、マッピングツールの3種類を製品ラインナップとして取り揃えています。既存のソフトウェアとも共存利用が可能で、幅広い解析でもフレキシブルな対応が図れます。高精度な解析により運用・生産コストを大きく低減できます。
メーカー名:アライドエンジニアリング社
CADデータ編集も可能
「様々なCAEへの完成されたソリューション」を提供することを目的に開発されたCAEソフトです。CAD機能も搭載されているなど、ANSAひとつで複数のツールの役割をこなせます。
メーカー名:株式会社BETA CAE Systems Japan
ビジネス・学業への支援が手厚い
CAEを中心とした解析ソフトウェア群で、複数の解析場を組み合わせた連成解析が強みです。スタートアップ企業や学校では安価もしくは無料で利用できるサービスも提供しています。
メーカー名:ANSYS社(アメリカ)
プレス成形シミュレーションソフトウェア
日本の企業が開発した純国産のソフトウェア。これまで長い時間と費用がかかっていた設計・試作プロセスが、プレス成型シミュレーションの導入により金型製作の時間や試作コストを今以上に削減可能です。
メーカー名:株式会社先端力学シミュレーション研究所
ダイカスト向け設計・解析ソフト
適切なゲート・システムと化加工条件の調整を高速で行うことができるソフトウェアです。ゲート・システム設計CAD機能と解析機能をあわせ持つことで実現しています。搭載しているGEO-DESIGNERで、初期段階の解析も素早く行えます。
メーカー名:C3P Software International Co. Ltd.
基本的な解析を網羅
計35種類のモジュールにより、基本的な解析を網羅していることを強みとしています。最初から連成解析を考慮して開発されており、3種類以上の連成解析にも対応しています。
メーカー名:COMSOL AB社(スウェーデン)
製造系CAEソフト
金属への材料流れや加工中の工具へかかる負荷状態、熱処理などによる変形や切削時の切りくず予測といった様々な加工現象を数値計算技術でシミュレーションできる総合加工CAEソフトです。初心者にも扱いやすい仕様になっています。
メーカー名:Scientific Forming Technologies Corporation社(SFTC社)
設計者向け国産CAEソフト
村田製作所で長年活用されてきた国産CAEソフトで、設計初心者でも扱えるように開発されています。解析に必要なモジュールが標準仕様で、コストパフォーマンスにも優れます。
メーカー名:ムラタソフトウェア株式会社
設計者向け熱流体解析CAE
設計者向けに開発された熱流体解析ソフトで、専門知識がなくてもスキルが短期習得しやすくなっています。3D CAD統合型で、モデル作成・解析・評価までひとつで実行できます。
メーカー名:Siemens社(ドイツ)
CAD・CAM・CAE・PCB統合ソフト
CAD・CAM・CAE・PCBが統合されたソフトで、研究開発をひとつでサポートします。条件を満たせば無料で、有料の場合も月額から始められ、低ハードルでCAEが導入できます。
メーカー名:Autodesk社(アメリカ)
汎用粉体解析ソフト
個別要素法(DEM)に基づく粉体解析に特化したCAEソフトで、主に混合解析・搬送解析・充填解析に対応しています。メッシュ作成不要で、CADファイルから解析が行えます。
メーカー名:プロメテック・ソフトウェア株式会社
解析ごとに解析エンジンを搭載
各種解析や可視化、システム管理などが単一環境で利用できる汎用CAEソフトです。各解析に適した解析エンジンを搭載しており、構造解析など幅広い分野の解析に対応できます。
メーカー名:Altair Engineering, Inc.(アメリカ)
機械設計者向けソフト
3D CADソフトですが、CAE機能「MPIC」によりIRONCAD上で複合条件を加味した連成解析を実行できます。設計者向けに開発されており、初心者でも扱いやすくなっています。
メーカー名:IronCAD, LLC.(アメリカ)
大規模汎用CAEソフト
数多くの有限要素法(FEM)解析に向けたプリ機能ならびにポスト処理機能を持った、一億節点以上の大規模モデルです。自動化による大きな工数削減に対して強みを持つ、CAEプラットフォーム。Jupiter単一プラットフォームにて、CAEの多くのソリューションを運用可能です。
メーカー名:株式会社テクノスター
電磁波解析CAE
電磁波解析に特化したCAEソフトで、FDTD法による電磁波解析を実行できます。クラウド版もリリースされており、ソフトや計算機なしで電磁波解析を行うことも可能です。
メーカー名:株式会社科学技術研究所
汎用非線形現象シミュレーションソフト
非線形ソルバーを有した、汎用性の高いCAEソフトです。複数工程に対応しており、より実際の工程に近い現象を考慮した開発が進められるようになります。
メーカー名:株式会社科学技術研究所
回転体・軸受け連成解析ソフト
回転体や軸受けの解析に特化したCAEソフトで、軸受けを持つシステムの解析および連成解析が行えます。WindowsのようなGUIを採用しており、簡単にモデル作成できるようになっています。
メーカー名:DELTA JS社(スイス)
セットで動作するCAEソフト
MATLABの環境上で扱えるCAEソフトで、ブロック線図を描いて時間軸のシミュレーションが行えます。プログラミング言語などを理解していなくても扱えるようになっています。
メーカー名:MathWorks社(アメリカ)
ハイブリッドメッシャーを搭載した、設計者向けCAEソフトです。複雑な形状の設計であっても多方面からの解析を同時に行うので、従来の解析時間に比べ約50%時間の削減が可能となっており、作業効率の向上につながります。
メーカー名:株式会社マイダスアイティジャパン
初めてFVMを実用化した樹脂流動解析ソフト
3次元樹脂流動解析ソフトとして、高いシェアを誇るCAEソフトです。射出成型シミュレーションが行えるソフトとして初めてFMV(有限体積法)を実用化しています。
メーカー名:CoreTech System Co., Ltd.(台湾)
必要な機能だけにお金がかけられる
独自のトークンシステムによるサブスクリプション方式が特徴のCAEソフトで、必要な機能だけにお金がかけられます。モジュールを追加することで、汎用ソフトとしても使えます。
メーカー名:MSC Software社(アメリカ)
汎用構造解析CAEソフト
有限要素法を用いた汎用構造解析CAEソフトです。高度な非線形解析にも対応しているほか、従来型のNASTRANで解析したモデルも処理し直すことができ、過去の検査結果もデータとして残すことが可能です。
メーカー名:Siemens社(ドイツ)
国産流体解析CAEソフト
東京大学教授監修のCAEソフトで、粒子法(MPS法)による流体解析に特化しています。CADファイルを用いた解析ができるなど、メッシュ作成が不要で、煩雑な工程を省けます。
メーカー名:プロメテック・ソフトウェア株式会社
熱流体解析ソフト
世界で初めて汎用熱流体解析(CFD)に特化したソフトとして開発されたCAEです。レギュラー・分野専用としてパッケージが分かれており、ニーズに合わせた製品が選べます。
メーカー名:Concentration Heat and Momentum Ltd.(イギリス)
機構解析CAEソフト
機構解析に特化したCAEソフトです。連成解析にも対応しており、構造・粒子法・制御との連成解析を実行できます。GUIにもこだわっており、直感操作で扱えるようになっています。
メーカー名:FunctionBay, Inc.(アメリカ)
オープンソースCAE
フランスの大手電力会社が開発したCAEソフトで、無料で利用できます。設計系と機械系に強く、線形・非線形・構造・連成解析と、商用ソフトに負けない高機能・高性能さを持っています。
メーカー名:eDF(フランス)
1Dシミュレーション
1Dシミュレーションを使用し、概念段階でシステム性能を予測・解析することができます。また、3DCADと連携させることも可能で、任意のCADデータから各種解析が行えます。
メーカー名:Siemens社(ドイツ)
CAE機能付き3D CADソフト
ミッドレンジ3D CADの先駆け的存在として登場した3D CADソフトです。3つのパッケージがあり、「~Premium」ではCAD機能に加えて検証機能も搭載されています。
メーカー名:Dassault Systèmes SolidWorks Corporation(アメリカ)
大規模汎用CAEソフト
大規模モデル対応のプリプロセッサ・ポストプロセッサからなり、大規模データも高速処理できるCAEソフトです。Windows対応型で、Windowsソフトのような感覚で使用できます。
メーカー名:株式会社テクノスター